機能性ディスペプシアと診断されて...

これまでの経験や実践してきた内容、また調べた医学知識を紹介するブログです

機能性ディスペプシアとは?

みなさんは機能性ディスペプシアという病気をご存じでしょうか?私も医師に告げられるまで、そのような病気を知りませんでした。日本消化器病学会の定義によると『症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないのにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患』とありますが、パッと読んでも、どんな病気なのか分からないと思います。たまに診察の際に専門用語をそのまま使う医師の方がいらっしゃいますが、素人にそのような専門用語を言われても、頭の中に?が浮かぶだけで、自分の病気がどんなものなのか理解するのは難しいと思います。いやはや、医学用語は難しいですね。

簡単に言うと、胃痛や胃もたれなどの自覚症状があるにもかかわらず、内視鏡検査(胃カメラ)などを行っても、その原因となる症状を確認できない病気です。普通、違和感を感じる場所には何らかの症状が出るものですが、この病気は見た目は問題ないのに、辛い症状が続きます。ちなみに、この病気は以前は慢性胃腸炎と呼ばれていたらしく、昔からあった病気だったようです。現在の日本では10人に1人がこの病気であると言われており、とても身近にある病気です。そして、症状が強い場合、生活の質(QOL: Quality of Life)を大きく損ないます。私はかなり症状を悪化させてしまったため、長い時期を辛い症状を抱えて生活しました。私の経験からも、かなりのQOLの低下を招く病気だと思います。何をするにしても、胃腸の調子を気にしながら生活しなくてはならず、想像以上に辛い病気です。この病気のよくある症状として、以下のようなものがあります。

①すぐにお腹がいっぱいになり食べれなくなる
②食後の長時間にわたるもたれ
③みぞおちの痛み、またはみぞおちが焼けるような感じ

この病気は命にかかわる病気ではないことから、他人にはその苦しさが理解されにくく、『ちょっと気分が悪いだけでしょう?』と思われ、悩み苦しむ方が多いと思います。身体的な苦痛に加えて、精神的な苦痛も加わり、抑うつ的な症状が現れる場合もあります。このような理由から、病院で抗うつ剤が処方されるケースもあるようです。

そもそも機能性ディスペプシアの原因は何なんでしょうか?現在では、主な原因として、以下のものが挙げられています。

①過度なストレス
②刺激物(高脂肪食や香辛料など)の多い食事または早食いなど
③不規則な生活習慣(喫煙、飲酒、睡眠不足など)
④ピロリ菌感染

上で挙げた項目のうち、①~③は多忙を極める現代を生活する多くの方が経験していると思います。①~③のいずれにも該当しない生活を送っているという方は、ほとんどいないのではないのでしょうか?これらの原因から、生活習慣病の1つと考えることができると思います。④については、生活が衛生的になったこともあり、若い方にはあまり見られないらしいのですが、40歳以上の方などでは、幼少期に感染してしまい、ピロリ菌を保有している可能性があるそうです。内視鏡検査などで、一緒に検査することができるので、気になる方は一度検査してみることをお勧めします。ピロリ菌は胃癌の原因とも言われていますが、異論もあるらしく、そのことについては、別記事でまた紹介させてもらおうと思います。

この病気の辛いことの1つに、処方される薬があまり効かないということがあります。実際に病院で診察してもらうと、以下のような薬が処方されると思いますが、私の経験ではほとんど効きませんでした。私は5~6件ほど病院を渡り歩き、診察してもらいましたが、いずれも同じような薬を処方されました。医師の方も薬に効果が薄いことは分かっているらしく、気休め程度と言われたのを今でも覚えています。

・胃酸の分泌を抑える薬
・消化管の運動機能を改善する薬

私は約9年間ほどこの病気で苦しみました。始めは症状が軽かったため、放っておけばすぐに治るだろうと楽観視していたのでが、私の予想に反して、年々、症状が悪化していき、1~2年ぐらい前が一番辛い時期でした。当時の私は病院で処方された薬を飲んでいたら、いつか良くなるだろうと本気で思っていました。今思えば、薬が効いていないという現実を無視して、何の根拠もない考えを信じていたなと自分の愚かさを反省するばかりです。症状がかなり悪化し、QOLをかなり低下させて初めて、薬でこの病気は治せないのだと気が付きました。それから私は、関係のありそうな本をいろいろと読み、そこに記載されていた内容から実践できそうなものを実際にやってみました。実践したものの中には、効果が確認出来なかったものもありましたが、諦めず続けた結果、現在の私は元の生活に戻すことができました。機能性ディスペプシアは再発率がそこそこ高いと言われており、治ったからもう大丈夫という訳ではなく、再発しないためにも日頃の予防が必要不可欠です。私が実践した内容や知識が同じ症状で苦しんでいる方に僅かばかりでも助けになればと思い、このブログを書こうと思い立ちました。記事の更新が不定期になるかもしれませんが、よかったらご覧ください。