機能性ディスペプシアと診断されて...

これまでの経験や実践してきた内容、また調べた医学知識を紹介するブログです

現在に至るまでの過程①

今回の記事では、 はじめに症状が出てから今日に至るまでの過程を書きたいと思います。現在に至るまで、いろいろなことを経験したこともあり、記事が長くなるため、記事を数回に分けて紹介したいと思います。

はじめに症状が出たのは、今から約9年ぐらい前だったと思います。その日は夜10時ぐらいに仕事が終わり、外で食事を済ませてから帰りました。夜も遅かったため、お風呂に入ってすぐに寝たのですが、就寝後、1~2時間後ぐらいに気分が悪くなりました。次第に吐き気も出てきて、吐き気はどんどん強くなり、これまでに経験したことのない強い吐き気に襲われました。いつでも吐くことができるよう、その夜は洗面器を横に置いて寝ました。結局、食べた物を戻すことはなかったのですが、ほとんど眠れず、気分も悪いままだったので、次の日は会社を休みました。その時は食あたりかな?と思い、病院で胃腸の薬を処方してもらい、様子を見ることにしました。その後、しばらくの間、同じような症状はありませんでしたが、今思えば、これが機能性ディスペプシアのはじまりだっと思います。

それから2か月後ぐらいに、前回のような強い吐き気とまでではなかったのですが、胃腸の調子が悪くなったため、再度、病院で診てもらうことにしました。診察してもらった結果、一度、内視鏡検査(胃カメラ)で胃の中の様子を見てみましょうという話になりました。ちなみにこれが私の人生ではじめての内視鏡検査でした。余談になりますが、最近の内視鏡は一昔前のものと比べて、患者への負担を軽減するため、かなり小型化されており、画像も鮮明で高性能化しています。検査時に腫瘍などが見つかった場合、その場で切除出来るような機能を持つ内視鏡もあるそうです。ただ不幸なことに、私が当時診てもらった病院は旧式の内視鏡検査だったようで、かなり太いケーブルでした。それを見たとき、『こんなものを口から入れるの?』と恐怖しました。喉の奥に気休め程度の麻酔のようなものを振りかけた上で検査がはじまり、時折、医師が映し出された映像を見せてくれていましたが、胃カメラを飲んでいる当人はそれどころではなく、吐き気と呼吸をするので精一杯で、映像を見る余裕などありませんでした。今であれば、どのような検査機器を持っているか、麻酔を使うのかなどを調べた上で、負担の少ない病院を選ぶのですが、当時は、そんなことは調べずに病院を選んでしまいました。みなさんも内視鏡検査をする場合は、事前にその病院でどのような機器を使っているかよく調べた上で、病院を選ぶようにして下さい。もしくは、知り合いの方でいい病院を知っているようなら紹介してもらって下さい。最新の機器を持った腕のいい医師のところには、当然ですが患者が集まります。多くの患者を診ることで、医師の技量は上がり、また患者の負担を減らすため、検査機器も最新のものを使う傾向があります。身近にそのような病院があるとは限りませんが、出来るだけ情報を集めて、少しでもよい病院を探してみてください。ただし、良い病院を探すあまりに受診のタイミングが遅くなってしまっては、症状が悪化してしまう、大きな病気の発見が遅れてしまうなどのリスクがあるため、適当なところで妥協する必要があるので注意して下さい。またいくら良い設備が整っているからと言って、通院に何時間もかかるような病院はおすすめ出来ません。通院による交通費がかかることに加えて、症状がつらい場合など、すぐに診察してもらいたいときに病院まで辿り着くことが出来ないからです。家族と一緒に暮らしている方であれば、遠くの病院を選ぶことも出来るかもしれませんが、それでもやはり近くの病院を選ばれることをおすすめします。

話が逸れてしまいましたが、検査した結果は、胃の中に特に目立った症状は確認出来ず、一過性の胃腸炎ではないかと言われました。また内視鏡検査で、ピロリ菌の検査も併せて行ってもらいましたが、検査の結果、ピロリ菌は確認出来ませんでした。結局、何が原因だったのかよく分からずに終わってしまいましたが、大きな病気ではないということで一安心しました。吐き気を伴う病気は数多くあり、その中には大きな病気も含まれます。『内視鏡検査はつらいからやりたくないけど、大きな病気だったらどうしよう?』と不安に思い続けるのであれば、一度、内視鏡検査を受けることを強くおすすめします。確かに検査自体は辛いのですが、胃癌などの病気を早期に発見出来れば、今の時代であれば治療が可能です。また大きな病気でないことが分かれば精神的な負担は減りますし、別の原因を探すきっかけにもなります。胃腸の検査には、内視鏡検査よりも体への負担が少ないバリウム検査などの他の方法もありますが、精度の点でいえば、患部を直接確認する内視鏡検査に遠く及びません(バリウム検査は被爆を伴うので全く無害という訳ではありませんし、バリウム検査で異常が見つかった場合、結局、内視鏡検査を行うことになります)。医師も内視鏡検査の重要性を指摘しており、今現在、胃腸の不調で苦しんでいる方は、一度、真剣に検討してみて下さい。ちなみに医師会では40歳を超える方は、毎年、内視鏡検査を受けることを薦めているそうです。

今回の記事はここまでにしたいと思います。いかがでしたでしょうか?記事を読まれた方の中には、今現在、同じような症状で苦しんでいる方がいらっしゃるのではないでしょうか?また、そこまで酷くはないが慢性的につらい症状に耐えている方がいるのではないでしょうか?いずれのケースも、そのまま放置しておくと、症状はどんどん悪化していき、QOLを大きく下げることになります。症状がかなり悪化すると、十分な食事が取れなくなり、体重を大きく落とすことにもなります。さらに、普通に立つ、歩くなどの基本的な動作にも支障が出るようになります。なので、なるべく早くに対策を取ることをおすすめします。続きは、次回の記事でご紹介させてもらいます。

機能性ディスペプシアとは?

みなさんは機能性ディスペプシアという病気をご存じでしょうか?私も医師に告げられるまで、そのような病気を知りませんでした。日本消化器病学会の定義によると『症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないのにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患』とありますが、パッと読んでも、どんな病気なのか分からないと思います。たまに診察の際に専門用語をそのまま使う医師の方がいらっしゃいますが、素人にそのような専門用語を言われても、頭の中に?が浮かぶだけで、自分の病気がどんなものなのか理解するのは難しいと思います。いやはや、医学用語は難しいですね。

簡単に言うと、胃痛や胃もたれなどの自覚症状があるにもかかわらず、内視鏡検査(胃カメラ)などを行っても、その原因となる症状を確認できない病気です。普通、違和感を感じる場所には何らかの症状が出るものですが、この病気は見た目は問題ないのに、辛い症状が続きます。ちなみに、この病気は以前は慢性胃腸炎と呼ばれていたらしく、昔からあった病気だったようです。現在の日本では10人に1人がこの病気であると言われており、とても身近にある病気です。そして、症状が強い場合、生活の質(QOL: Quality of Life)を大きく損ないます。私はかなり症状を悪化させてしまったため、長い時期を辛い症状を抱えて生活しました。私の経験からも、かなりのQOLの低下を招く病気だと思います。何をするにしても、胃腸の調子を気にしながら生活しなくてはならず、想像以上に辛い病気です。この病気のよくある症状として、以下のようなものがあります。

①すぐにお腹がいっぱいになり食べれなくなる
②食後の長時間にわたるもたれ
③みぞおちの痛み、またはみぞおちが焼けるような感じ

この病気は命にかかわる病気ではないことから、他人にはその苦しさが理解されにくく、『ちょっと気分が悪いだけでしょう?』と思われ、悩み苦しむ方が多いと思います。身体的な苦痛に加えて、精神的な苦痛も加わり、抑うつ的な症状が現れる場合もあります。このような理由から、病院で抗うつ剤が処方されるケースもあるようです。

そもそも機能性ディスペプシアの原因は何なんでしょうか?現在では、主な原因として、以下のものが挙げられています。

①過度なストレス
②刺激物(高脂肪食や香辛料など)の多い食事または早食いなど
③不規則な生活習慣(喫煙、飲酒、睡眠不足など)
④ピロリ菌感染

上で挙げた項目のうち、①~③は多忙を極める現代を生活する多くの方が経験していると思います。①~③のいずれにも該当しない生活を送っているという方は、ほとんどいないのではないのでしょうか?これらの原因から、生活習慣病の1つと考えることができると思います。④については、生活が衛生的になったこともあり、若い方にはあまり見られないらしいのですが、40歳以上の方などでは、幼少期に感染してしまい、ピロリ菌を保有している可能性があるそうです。内視鏡検査などで、一緒に検査することができるので、気になる方は一度検査してみることをお勧めします。ピロリ菌は胃癌の原因とも言われていますが、異論もあるらしく、そのことについては、別記事でまた紹介させてもらおうと思います。

この病気の辛いことの1つに、処方される薬があまり効かないということがあります。実際に病院で診察してもらうと、以下のような薬が処方されると思いますが、私の経験ではほとんど効きませんでした。私は5~6件ほど病院を渡り歩き、診察してもらいましたが、いずれも同じような薬を処方されました。医師の方も薬に効果が薄いことは分かっているらしく、気休め程度と言われたのを今でも覚えています。

・胃酸の分泌を抑える薬
・消化管の運動機能を改善する薬

私は約9年間ほどこの病気で苦しみました。始めは症状が軽かったため、放っておけばすぐに治るだろうと楽観視していたのでが、私の予想に反して、年々、症状が悪化していき、1~2年ぐらい前が一番辛い時期でした。当時の私は病院で処方された薬を飲んでいたら、いつか良くなるだろうと本気で思っていました。今思えば、薬が効いていないという現実を無視して、何の根拠もない考えを信じていたなと自分の愚かさを反省するばかりです。症状がかなり悪化し、QOLをかなり低下させて初めて、薬でこの病気は治せないのだと気が付きました。それから私は、関係のありそうな本をいろいろと読み、そこに記載されていた内容から実践できそうなものを実際にやってみました。実践したものの中には、効果が確認出来なかったものもありましたが、諦めず続けた結果、現在の私は元の生活に戻すことができました。機能性ディスペプシアは再発率がそこそこ高いと言われており、治ったからもう大丈夫という訳ではなく、再発しないためにも日頃の予防が必要不可欠です。私が実践した内容や知識が同じ症状で苦しんでいる方に僅かばかりでも助けになればと思い、このブログを書こうと思い立ちました。記事の更新が不定期になるかもしれませんが、よかったらご覧ください。